| 泉田 |
そういった価値観の転換も、これから必要になってきますね。例えば、少し前の日本では最も優秀な若者が公務員を希望します。そして二番目の人が大企業に。それらに行けない人は中小企業に就職します。ところが、世界の標準で言えば、一番優秀な人は人に使われる方にはなりません。自分で会社を興して、人を使う方に回る。それがトップエリートで、会社を興せない人が仕方がないから民間企業に勤める。それが駄目なら、公務員という流れです。 |
| 元谷 |
私は「ここのところの日本をダメにしているのは、東大法学部を中心とする文系社会だ」と思っています。日本がおかしくなったのは、法律や判例など記憶力が要求される法学などの文系の学問を重視し、想像力で無から有を創り出すと言える理系の学問を軽視してきたからです。これからはもっと理系の勉強をした人々を重用する社会を作るべきです。また学校の偏差値だけで人の価値を決めるのではなく、いろいろな能力を評価して、多様な「ものさし」で人の価値を認めることができる社会になるといいなと思いますね。 |
| 泉田 |
そうそう、手先が器用だとか。新潟県では「夢おこし」政策プランという長期計画を発表したばかりなのですが、その中でも個性を尊重する教育というのを重視しています。 |
| 元谷 |
それぞれの強みを評価してあげる社会ですよね。それからやはり自分の国の歴史に誇りと自信を持てる教育が大事です。自分のおじいさんや曾おじいさんの時代に、日本は悪い事ばかりしていたという自虐的な教育をするから、国がおかしくなっていく。中国がアヘン戦争で侵略されていったように、欧米列強がアジアの国々を植民地化しようと狙ってくる中、日本は富国強兵の道を進まざるを得なかったという背景をまずは理解しないと。どの国の歴史にも良い面と悪い面が必ずあるはずで、片方だけではなく、両方ともしっかりと教えていくのが教育の責任だと思います。 |
| 泉田 |
また、欧米では自分で会社を始める起業家、いわゆるアントレプレナーが評価され、尊敬されています。その理由は自らリスクを取っているからですよ。 |
| 元谷 |
そうですね。 |
| 泉田 |
しかし官僚はリスクを取らない。責任を取らないとまで言うと言い過ぎですが(笑)。私は京都大学法学部卒業で経済産業省出身ですから、まさに先程の代表の批判の対象かなと思って…(笑)。 |
| 元谷 |
(笑)いや、京大ですと、スタートラインが少し違っていて…。
|
| 泉田 |
そうなのですよ。京大は、私が公務員試験を受験しようとして勉強していると、周囲から「お前は国家の犬になるのか」と言われるような大学でしたから(笑)。 |
| 元谷 |
東大法学部中心も、今は少し変わりつつあります。最近の総理大臣の学歴を見ていたら、東大法学部が全くいません。これは一例ですが、東大を卒業したからといって、特急列車の切符を買ったという時代ではなくなっていますね。今からは、本当におもしろい時代に入ってくると思いますよ。 |
| 泉田 |
個性が大事にされる社会へ。それから、地方が独特の文化とか産業を創っていく時代になるべきです。江戸時代を見ると、日本はもともと地方文化の国でした。300諸侯がお国自慢を競って、国全体の活力を維持してきたのです。そこへもう一度戻らなければならないと思います。 |
| 元谷 |
補助金頼りの小東京化ではない独自の路線を、地方は歩むべきですね。 |
| 泉田 |
その通りです。台湾と北海道を私はよく比べるのですが、1945年まで台湾も北海道も大日本帝国の一部でした。日本から離れた台湾は、戦後中国本土が羨むほどの猛烈な経済発展をしました。ところが、北海道はなかなか豊かになれない。今でも、北海道が財政再建団体になるかならないかという話になっています。何が違ったのか。自治をしたのか、東京のコントロールで来たのかの違いです。地方が活力を失うと、日本全体が沈むのではないかという思いが私にはあります。だから、行政だけでは存在する限界を、民間とコラボレーションすることで乗り越えて、次世代に夢が持てるような新潟県を創っていきたいと考えているのです。 |
| 元谷 |
公共工事への依存体質から脱却するのも、今がチャンスですね。 |
| 泉田 |
はい。アパグループのような進取の気性のある企業と組んで、ぜひいろいろな事業を進めていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。 |
| 元谷 |
こちらこそ、よろしくお願いします。今後もいろいろな開発を考えていますので、新潟県と今後とも良い関係で、またいろいろとご支援いただければと思っています。最後にいつも「若い人に一言」をお聞きしているのですが。 |
| 泉田 |
「夢は叶う」というのが、私が常に自分の中で信じている言葉です。努力をすれば報われるという事ですね。流れ星に3回願いを唱えると実現するというのは迷信だと言われていますが、私は違うと思います。一瞬後には消えていく流れ星に3回も願いを唱えられるほど常に考えている事柄というのは、その時一生懸命に努力している事のはずです。それだけやっていれば、望みも叶うという意味なのだと。これからの日本社会について、マスメディアでいろいろと報道していて、不安になる人も多いはず。しかし、人生を自分が主体性を持って生きていけば、必ず満足でき、達成感のあるものになると私は思います。だから若い人にはぜひがんばって生きて欲しい。 |
| 元谷 |
私も人生は思えば思ったようになると信じています。逆に、思わないからそうならないという面もあるので、まずは人生において積極的になるべきだと考えています。今日は短い時間でしたが、いろいろと貴重なお話をありがとうございました。 |
| 泉田 |
またじっくりとお話させてください。どうもありがとうございました。 |